ショート動画のサイズは、全プラットフォーム共通で「アスペクト比9:16・解像度1080×1920ピクセル」が基本です。一方、時間の上限はYouTube Shortsが最大3分(YouTube公式ヘルプ・2024年10月発表)、Instagramリールが最大3分(Meta・2025年1月発表)、TikTokがアプリ内撮影で最大10分(TikTok・2022年発表)、LINE VOOMが60秒(LINE VOOM Creators公式ガイド)と媒体ごとに大きく異なります。本記事は2026年6月時点の規格を1枚の早見表に整理し、1本のマスター動画を全媒体へ展開する手順まで落とし込んだ保存版ガイドです。
ショート動画のサイズ・時間とは|基本規格を90秒で理解する
ショート動画とは、スマートフォンの縦持ち・全画面視聴を前提に設計された、アスペクト比9:16・数十秒から3分程度の短尺動画のことです。YouTube Shorts、Instagramリール、TikTok、LINE VOOMが国内の主要4プラットフォームで、いずれも縦型フルスクリーンのフィードを基本画面としています。
縦型9:16が標準になった理由は単純で、視聴デバイスがスマートフォンに集中しているからです。総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によれば、全年代のLINE利用率は91.1%、YouTube利用率は80.8%に達しており、これらのアプリはほぼスマートフォンの縦画面で開かれます。スマホを横に倒さずに画面全体を占有できる9:16は、視聴者の操作コストが最も低いフォーマットです。
押さえるべき規格は次の3点に集約されます。
- サイズ(アスペクト比): 9:16。ピクセル数では1080×1920が標準
- 時間(長さ): 媒体ごとに上限が異なる。最短はLINE VOOMの60秒、最長はTikTokの10分
- セーフゾーン: 各アプリのボタンや説明文が動画に重なるため、上下端には文字を置かない
この3点を最初に固めておけば、撮影・編集のやり直しはほぼ発生しません。逆にここを曖昧なまま制作を始めると、納品直前に「テロップがアイコンに隠れる」「縦にしたら黒帯だらけ」という手戻りが起きます。当社が中小企業のショート動画運用を支援してきた中でも、初回のご相談で最も多いつまずきがこの規格まわりの手戻りでした。
【保存版】全プラットフォーム規格早見表(2026年6月時点)
まず結論の一覧表です。ブックマークしてチェックリスト代わりにお使いください。
| プラットフォーム | アスペクト比 | 推奨解像度 | 時間の上限 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| YouTube Shorts | 9:16(正方形1:1も判定対象) | 1080×1920 | 最大3分 | YouTube公式ヘルプ(2024年10月発表) |
| Instagramリール | 9:16 | 1080×1920 | 最大3分 | Meta(2025年1月発表) |
| TikTok | 9:16 | 1080×1920 | アプリ内撮影で最大10分 | TikTok(2022年発表) |
| LINE VOOM(ショート動画) | 9:16(縦型フルスクリーン) | 1080×1920 | 60秒以内 | LINE VOOM Creators公式ガイド |
| Facebookリール | 9:16 | 1080×1920 | 最大90秒 | Meta(2023年3月発表) |
| X(旧Twitter) | 16:9/1:1/縦型も投稿可 | 1080×1920(縦型時) | 通常アカウントは最大140秒 | X公式ヘルプ |
注意点が2つあります。第一に、**4大プラットフォームの規格を1本で同時に満たす条件は「9:16・1080×1920・60秒以内」**です。ボトルネックはLINE VOOMの60秒制限なので、マスター動画はここを基準に設計します。第二に、表の上限は「投稿できる長さ」であって「伸びやすい長さ」ではありません。この違いは後述します。
書き出し(エンコード)設定は、当社が全媒体への納品で使っている次の基準に合わせておけば、2026年6月現在、主要プラットフォームで問題なく投稿できています。
| 項目 | 当社の納品基準 | 補足 |
|---|---|---|
| コンテナ/コーデック | MP4(H.264+AAC) | 全媒体で再生互換性が高い組み合わせ |
| 解像度 | 1080×1920 | 4K縦型は再圧縮で劣化しやすく費用対効果が低い |
| フレームレート | 30fps | ダンス・スポーツ等の動きが速い素材のみ60fps |
| 映像ビットレート | 8〜12Mbps | 60秒・12Mbpsでも約90MBに収まる計算 |
| 音声 | AAC・128kbps以上 | LINE VOOM公式ガイドは無音投稿を避けるよう明記 |
プラットフォーム別の詳細仕様と注意点
YouTube Shorts|最大3分・Shorts判定の基準が明文化
YouTube Shortsは2024年10月15日以降のアップロードから、最大時間が60秒から3分に拡大されました(YouTube公式ヘルプ・2024年)。さらに公式ヘルプでは、2025年12月8日以降にアップロードされる動画は「正方形または縦型のアスペクト比、かつ3分以内」であればShortsとして分類されると判定基準が明文化されています。つまり横型16:9の動画は何秒であってもShortsにはならず、逆に縦型で3分以内なら通常動画として投稿したつもりでもShorts面に載ります。「Shortsに出したくない縦型動画」がある場合は3分超にする、という逆算が要る点に注意してください。Shorts面での評価ロジックはYouTube Shortsのアルゴリズム解説で詳しく扱っています。
Instagramリール|2025年1月に90秒→最大3分へ拡大
Instagramは2025年1月、リールの最大時間を従来の90秒から3分に拡大すると発表しました(Meta・2025年1月)。ただし同時に、Instagram責任者のアダム・モセリ氏はおすすめ面(発見タブやリール面)でのレコメンドには90秒以内の動画を推奨すると説明しています。「3分まで投稿できる」と「3分が伸びる」はまったく別の話で、新規リーチを狙う動画は90秒以内、既存フォロワー向けの深掘りコンテンツのみ3分枠を使う、という使い分けが実務的です。リール面での評価シグナルはInstagramリールのアルゴリズム解説を参照してください。
TikTok|アプリ内撮影で最大10分・長尺化が進行中
TikTokは2022年に動画の最大時間を10分へ拡大しました(TikTok・2022年発表)。さらに2024年5月には最大60分動画のアップロードをテストしていることが報じられており(TechCrunch・2024年5月)、プラットフォームとしては長尺化の方向にあります。とはいえフィードの主戦場は依然として短尺で、視聴者は数秒で次の動画へスワイプします。10分枠は連続ドラマ型・講座型のコンテンツを持つアカウント向けの選択肢と捉え、通常の集客用途では60秒以内に収めるのが堅実です。
LINE VOOM|ショート動画は60秒以内・無音は不利
LINE VOOMのショート動画投稿は60秒以内と上限が定められており、公式のVOOM Creatorsガイドは推奨時間を30〜60秒、形式は縦型フルスクリーンとし、無音投稿を避けてBGMやアフレコを入れるよう明記しています(LINE VOOM Creators公式ガイド)。4大プラットフォームの中で最も上限が短いため、マルチ展開のマスター動画はLINE VOOM基準(60秒)で設計するのが効率的です。LINEは前述の総務省調査で利用率91.1%と国内最大級の接点を持つため、「上限が短いから後回し」にするのはもったいない媒体です。
Facebookリール・X|サブ展開先としての規格
Facebookリールは2023年3月、Metaが最大時間を60秒から90秒へ拡大すると発表しました。アスペクト比は9:16・1080×1920で他媒体と共通です。X(旧Twitter)は通常アカウントで最大140秒(2分20秒)の動画を投稿でき(X公式ヘルプ)、横型・正方形・縦型のいずれも受け付けます。どちらも専用に作り込むというより、9:16のマスター動画をそのまま流用する「サブ展開先」と位置づけると運用が軽くなります。
ショート動画の最適な「時間」設計|上限と推奨は別物
各媒体の上限を確認したところで、実際に何秒で作るべきかを整理します。以下は当社が中小企業のショート動画制作・運用を支援してきた経験則に基づく目的別の目安です(数値は当社の運用経験に基づく設計指針であり、業界統計ではありません)。
| 目的 | 推奨時間 | 設計のポイント |
|---|---|---|
| 認知拡大・新規リーチ | 15〜30秒 | 冒頭2秒でテーマ提示。完視聴率を最優先 |
| ノウハウ・ハウツー解説 | 45〜90秒 | 結論先出し+手順は3ステップまでに圧縮 |
| 商品・サービスのデモ | 30〜60秒 | ビフォーアフターを冒頭と末尾に配置 |
| 採用・会社紹介 | 60〜180秒 | 離脱しにくい指名視聴が前提。3分枠が活きる領域 |
| 全媒体同時展開のマスター | 60秒以内 | LINE VOOMの上限60秒がボトルネック |
時間設計で外せない原則は「完視聴率は短いほど上がり、伝達量は長いほど増える」というトレードオフです。アルゴリズムは完視聴・再視聴を強いシグナルとして扱うため、迷ったら短い側に倒す、削れない情報量があるときだけ長くする、の順で判断します。具体的な台本の組み立てはショート動画の作り方ガイドで手順化しています。
サイズ通りでも「見切れる」セーフゾーン設計
1080×1920で書き出しても、各アプリの画面にはアイコン・キャプション・音源表記などのUIが動画の上に重なります。テロップがいいね欄に隠れる事故を防ぐため、当社では次の社内基準でセーフゾーンを確保しています(1080×1920換算の当社制作基準です)。
- 上部 約10%(192px): 検索バー・タブ表示と重なるため、ロゴや見出しを置かない
- 下部 約20%(384px): キャプション・音源表記・プロフィール行と重なる。字幕は下端から400px以上空ける
- 右端 約15%(162px): いいね・コメント・シェアのアイコン列。図解の右側に余白を取る
主要な情報(顔・商品・キーテロップ)は中央60〜70%の領域に収める、と覚えておけば媒体を問わず破綻しません。媒体ごとにUIの位置は微妙に違いますが、この基準で作った動画を媒体別に再編集する必要が生じたケースは当社の運用ではほぼありません。
横型動画の流用は画面の約68%を捨てる計算
「会社紹介の16:9動画があるから、それをそのままショート動画に上げたい」というご相談をよくいただきますが、数字で見ると損失が大きい選択です。
- 9:16のキャンバス: 1080×1920px=総面積207万px
- そこに16:9動画を幅1080pxで配置: 1080×608px=表示面積66万px
- 動画が占める面積は約32%。残り約68%は黒帯(余白)
つまり横型流用は、スマホ画面の3分の2を空白にして届ける選択です。完視聴率以前に、フィードでの視認性・没入感で縦型ネイティブの動画に劣後します。既存の横型素材を活かす場合でも、上下に補足テロップ帯を入れて9:16に再構成する、被写体を中央にリフレーミングして縦に切り出す、といった「縦型化」の編集工程を挟むことを推奨します。
1本のマスター動画を全媒体へ展開する手順チェックリスト
規格を踏まえ、1本の撮影素材を4大プラットフォームへ展開する実務手順をチェックリスト化しました。上から順に潰せばそのまま運用フローになります。
- 企画段階で60秒以内に収まる台本にする(LINE VOOM基準。超える場合はYouTube/Instagram用ロングと2バージョン設計)
- 9:16・1080×1920のシーケンスで編集を開始する(横型で編集してから縦に直すのは二度手間)
- 冒頭2秒に結論・フックを置く
- テロップは中央60〜70%のセーフゾーン内に配置する(上192px・下384px・右162pxを空ける)
- BGMまたはナレーションを入れる(LINE VOOM公式ガイドが無音投稿を避けるよう明記)
- MP4(H.264/AAC)・30fps・8〜12Mbpsで書き出す
- 媒体ごとにキャプション・ハッシュタグだけ差し替えて投稿する(動画本体は共通でよい)
- 他媒体のロゴ透かし入り動画を流用しない(転載判定による露出低下を避ける)
- カバー画像(サムネイル)を媒体ごとに設定する
- 投稿後7日間の完視聴率・保存数を媒体横断で記録する
展開コストの計算例
このフローの費用対効果を当社価格で試算します。当社のショート動画制作は1本150,000円〜(税抜)ですが、上記の通り1本のマスター動画はそのまま4媒体に投稿できるため、1媒体あたりの実質コストは37,500円まで下がります。月額ライトプラン(月4本・450,000円/税抜)なら月16面の露出が確保でき、1面あたり約28,125円という計算です。媒体ごとに別々の動画を発注する前提で見積もると4倍の予算が必要になるため、「規格を揃えて1本を使い回す」設計自体が最大のコスト削減策になります。制作費の相場観はショート動画制作の費用相場で詳しく比較しています。
まとめ|今日やる3つのアクション
規格は一度整えれば資産になります。今日はまず次の3つだけ実行してください。
- 直近に投稿した動画のサイズと秒数を本記事の早見表と突き合わせる。9:16・1080×1920になっていない動画があれば、次回から編集テンプレートを縦型に切り替える
- 編集ソフトに「1080×1920・30fps・MP4」の書き出しプリセットを保存する。毎回の設定ミスがなくなり、この記事に戻る必要もなくなります
- ショート動画チェックリスト(無料ツール)で、セーフゾーンと時間設計を含む公開前チェックを一巡する
「規格は分かったが、企画と編集まで内製する時間がない」という場合は、企画・撮影・編集・全媒体フォーマット設計まで一括で請け負う当社のショート動画制作サービスをご検討ください。1本単位の単発制作から月額運用まで、規格設計込みで対応します。
