AI研修・DX研修に使える助成金を活用すれば、中小企業は研修費用の最大75%を国から補助してもらえるため、実質的な負担を大幅に抑えてAI人材育成を推進できます。2026年4月8日の制度改正で設備投資加算が新設され、AI関連機器の導入も助成対象となりました。
「AI研修を実施したいが予算が確保できない」「助成金があると聞いたが申請方法が分からない」「どの助成金を使えばいいか判断できない」——このような悩みを抱える中小企業の経営者・人事担当者は非常に多いです。
本記事では、令和8年4月8日改正後の人材開発支援助成金の最新内容で、AI研修・生成AI研修で活用できる助成金・補助金を網羅的に解説し、申請手順から受給までの流れを具体的にガイドします。
【2026年4月15日更新】令和8年4月8日改正の要点
- 事業展開等リスキリング支援コース: 設備投資加算(50%・1人15万円/10人以上150万円)新設
- 人材育成支援コース: 中高年齢者実習型訓練(45歳以上対象)新設
- 人への投資促進コース: 長期教育訓練休暇制度に新規採用助成(27/45/67.5万円)・職務代行助成(75%・月上限16万円)追加
- コース共通: eラーニング・通信制訓練の経費助成上限が一律15万円に見直し(中小企業。従来は訓練時間別に最大30万円)
⚠️ 最終年度に関する重要な注意点
- 「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」は令和4年度〜令和8年度の時限措置。令和8年度(2026年度)が最終年度で、令和9年4月以降の継続は未確定です。活用予定の企業は早期申請を強く推奨します。
- 令和8年4月8日改正の直前、令和8年3月2日にも別の改正が施行されています(分割支給申請の導入、事業展開等リスキリング支援コースの対象訓練拡充等)。
詳細は【速報】人材開発支援助成金 令和8年4月8日改正をご参照ください。
AI研修で使える助成金の全体像
主な助成金・補助金一覧
AI研修・DX研修で活用できる主な助成金・補助金は以下の通りです。
| 制度名 | 管轄 | 助成率(中小企業) | 主な対象 |
|---|
| 人材開発支援助成金(人材育成支援コース) | 厚生労働省 | 経費45〜60%(賃金要件等で75%)+賃金助成 | 従業員のスキルアップ研修全般 |
| 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | 厚生労働省 | 経費75%+賃金助成+設備投資加算50% | DX・新規事業に伴うリスキリング |
| キャリアアップ助成金(正社員化コース) | 厚生労働省 | 1人80万円 | 非正規→正社員への転換支援 |
| IT導入補助金 | 経済産業省 | 最大1/2〜2/3 | ITツール導入に伴う研修 |
| 地方自治体の独自助成制度 | 各自治体 | 制度により異なる | 地域の中小企業向け |
本記事では、AI研修で最も活用しやすい人材開発支援助成金の2つのコースを中心に詳しく解説します。
人材開発支援助成金とは
制度の概要
人材開発支援助成金は、事業主が従業員に対して職業訓練(研修)を実施した場合に、訓練にかかった経費と訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。厚生労働省が所管しており、雇用保険の適用事業所であれば申請が可能です。
AI研修で使える2つのコース
人材開発支援助成金にはいくつかのコースがありますが、AI研修で特に活用しやすいのは以下の2つです。
| 比較項目 | 人材育成支援コース | 事業展開等リスキリング支援コース |
|---|
| 対象 | 従業員のスキルアップ全般 | 新規事業・DX推進に伴うリスキリング |
| 訓練時間 | 10時間以上 | 10時間以上 |
| 経費助成率(中小) | 45%(条件により60%、賃金要件等で75%) | 75% |
| 賃金助成(中小) | 800円/時間・人(賃金要件等で1,000円) | 1,000円/時間・人 |
| 経費上限(10〜100h未満) | 15万円/人 | 30万円/人 |
| 経費上限(100〜200h未満) | 30万円/人 | 40万円/人 |
| 設備投資加算 | なし | 導入費用の50%(1人15万円/10人以上150万円・NEW) |
| 申請の難易度 | やや簡単 | やや複雑 |
人材育成支援コースの詳細
対象となる事業主の要件
以下のすべてを満たす事業主が対象です。
- 雇用保険適用事業所の事業主であること
- 訓練実施計画届を事前に提出していること
- 訓練期間中も通常通りの賃金を支払うこと
- 過去に不正受給を行っていないこと
- 労働保険料を滞納していないこと
対象となる研修の要件
| 要件 | 内容 |
|---|
| 訓練時間 | 10時間以上(OFF-JT) |
| 訓練内容 | 職業に関する専門的な知識・技能の習得 |
| 実施方法 | 事業外の訓練機関、または事業主が自ら実施 |
| カリキュラム | 訓練の目的・内容・時間が明確であること |
AI研修での具体例
- ChatGPT・生成AIの業務活用研修(10時間以上の構成)
- プロンプトエンジニアリング講座
- AI活用によるDX推進研修
- データ分析・AIツール活用研修
助成額の計算方法
経費助成率(令和8年4月8日版)
| 企業規模 | 経費助成率 |
|---|
| 中小企業 | 45%(条件により60%、賃金要件等で75%) |
| 大企業 | 30%(条件により45%、賃金要件等で60%) |
経費助成の上限額
| 訓練時間 | 中小企業 | 大企業 |
|---|
| 10時間以上100時間未満 | 15万円/人 | 10万円/人 |
| 100時間以上200時間未満 | 30万円/人 | 20万円/人 |
| 200時間以上 | 50万円/人 | 30万円/人 |
なお、eラーニング・通信制訓練を選択した場合は、令和8年4月8日改正により経費助成上限が訓練時間にかかわらず一律15万円(中小企業)となりました。
賃金助成(令和8年4月8日版)
| 企業規模 | 1人1時間あたり |
|---|
| 中小企業 | 800円(賃金要件等で1,000円) |
| 大企業 | 400円(賃金要件等で500円) |
具体的なシミュレーション
ケース1:半日×4回(計16時間)のAI研修、10名参加(賃金要件等を満たす前提)
| 項目 | 金額 |
|---|
| 研修費用(10名分) | 400,000円 |
| 1人あたり研修費用 | 40,000円 |
| 経費助成(75%、上限15万/人) | △300,000円 |
| 賃金助成(1,000円×16h×10名) | △160,000円 |
| 助成金合計 | △460,000円 |
| 実質負担額 | 0円(助成金が上回る) |
このケースでは、助成金額が研修費用を上回るため、実質的な負担はゼロ(むしろプラス)になります。
ケース2:2日間集中(計14時間)のAI研修、5名参加(賃金要件等を満たす前提)
| 項目 | 金額 |
|---|
| 研修費用(5名分) | 300,000円 |
| 1人あたり研修費用 | 60,000円 |
| 経費助成(75%、上限15万/人) | △225,000円 |
| 賃金助成(1,000円×14h×5名) | △70,000円 |
| 助成金合計 | △295,000円 |
| 実質負担額 | 5,000円 |
事業展開等リスキリング支援コースの詳細
人材育成支援コースとの違い
事業展開等リスキリング支援コースは、企業が新規事業の立ち上げやDX推進、グリーン・カーボンニュートラル化などの事業変革に伴って従業員をリスキリングする際に利用できるコースです。
最大のメリットは、経費助成の上限額が人材育成支援コースより高いことです。
対象となる「事業展開等」の定義
以下のいずれかに該当する場合に申請可能です。
| 区分 | 内容 | AI研修との関連 |
|---|
| 事業展開 | 新たな製品・サービスの提供を開始 | AIを活用した新サービスの開発 |
| デジタル化 | デジタル技術を活用した業務改善 | 生成AIによる業務効率化 |
| グリーン化 | カーボンニュートラルに向けた取り組み | (直接的な関連は少ない) |
AI研修は「デジタル化(DXの推進)」に伴うリスキリングとして申請するのが一般的です。
助成額の計算方法
経費助成
経費助成の上限額
| 訓練時間 | 中小企業 | 大企業 |
|---|
| 10時間以上100時間未満 | 30万円/人 | 20万円/人 |
| 100時間以上200時間未満 | 40万円/人 | 25万円/人 |
| 200時間以上 | 50万円/人 | 30万円/人 |
賃金助成
| 企業規模 | 1人1時間あたり |
|---|
| 中小企業 | 1,000円 |
| 大企業 | 500円 |
設備投資加算(令和8年4月8日新設・中小企業のみ)
訓練で習得したスキルを活用するための機器・設備等を新たに導入した場合、その導入費用の**50%**が追加助成されます。上限は支給対象労働者1人につき15万円、10人以上で150万円です。AI研修での活用例としては、高性能ワークステーション・GPUサーバー等の導入費用が対象になり得ます。リース料も対象(契約期間・使用実績要件あり)。
賃金要件について(重要): 設備投資加算を含む多くの助成メニューで上位の助成率・助成額を得るには、訓練終了日から1年以内に対象労働者の賃金を5%以上増額、または資格等手当を支給して賃金を3%以上増額することが求められます。研修後の賃金改定・処遇改善まで含めた中長期戦略が必要です。
人材育成支援コースとの使い分け
| 判断基準 | 人材育成支援コース | リスキリング支援コース |
|---|
| 研修の目的 | 既存業務のスキルアップ | 新規事業・DX推進 |
| 研修費用 | 1人15万円以内 | 1人15万円を超える |
| 申請の手間 | 比較的シンプル | やや複雑(事業計画の説明が必要) |
| おすすめの状況 | 全社員向け基礎研修 | DX推進チーム向け高度な研修 |
費用が1人あたり15万円以内に収まる場合は、申請が比較的簡単な人材育成支援コースがおすすめです。1人あたりの費用が高額になる場合は、上限額の高いリスキリング支援コースの活用を検討しましょう。
助成金申請の流れとスケジュール
全体の流れ
助成金の申請は以下の6つのステップで進めます。
Step 1:研修計画の策定(研修開始の2〜3ヶ月前)
- 研修の目的・内容・対象者・日程を決定
- 研修会社の選定と見積もり取得
- 助成金の対象要件を確認
Step 2:訓練実施計画届の提出(研修開始の1ヶ月前まで)
- 「職業訓練実施計画届」を作成
- 研修のカリキュラム・日程表を添付
- 管轄の労働局に提出(郵送または持参)
Step 3:研修の実施(計画通りに実施)
- 計画届に記載した内容・日程通りに研修を実施
- 出席管理を確実に行う(出席簿、タイムカード等)
- 研修資料を保管する
Step 4:支給申請書の提出(研修終了後2ヶ月以内)
- 支給申請書を作成
- 必要書類を添付して労働局に提出
- 研修の実施報告書、出席記録、経費の領収書等を添付
Step 5:労働局による審査(3〜6ヶ月)
- 書類審査が行われる
- 不備がある場合は修正・追加書類の提出を求められることがある
- 必要に応じて現地調査が行われる場合もある
Step 6:支給決定・入金
- 審査を通過すると支給決定通知が届く
- 指定口座に助成金が振り込まれる
スケジュール例(2026年6月に研修実施の場合)
| 時期 | やること |
|---|
| 2026年3〜4月 | 研修計画策定、研修会社選定、見積もり取得 |
| 2026年4月下旬 | 訓練実施計画届の提出(労働局へ) |
| 2026年6月 | 研修の実施(計画通りに) |
| 2026年7月 | 支給申請書の提出(研修終了後2ヶ月以内) |
| 2026年10月〜2027年1月 | 労働局による審査 |
| 2027年1〜3月 | 支給決定・入金 |
申請時の注意点とよくあるミス
注意点1:事前届出が必須
最も重要な注意点は、研修開始前に訓練実施計画届を提出しなければならないことです。研修を実施してから「助成金を申請したい」と思っても、事前届出がなければ申請できません。
注意点2:訓練時間は10時間以上が必要
半日(3〜4時間)の研修1回だけでは10時間に満たないため、助成金の対象外となります。複数回に分けて合計10時間以上になるようにカリキュラムを設計してください。
注意点3:出席管理の厳格化
受講者の出席記録は助成金審査の最重要書類の一つです。以下の点に注意してください。
- 全受講者の出席簿を作成し、本人の自署またはICカード打刻で記録
- 遅刻・早退・欠席があった場合は正確に記録
- オンライン研修の場合はログイン記録を保管
- 出席率が80%未満の受講者は助成金の対象外になる場合がある
注意点4:経費の証拠書類を保管
研修に関する経費のすべての領収書・請求書を保管してください。
| 必要書類 | 注意点 |
|---|
| 研修会社からの請求書 | 研修内容・日程・金額が記載されていること |
| 領収書 | 宛名・金額・日付・但し書きが正確であること |
| 振込明細 | 銀行振込の場合は振込証明書 |
| 研修資料 | 当日使用したテキスト・スライドのコピー |
| 出席簿 | 全日程分の原本 |
よくある申請ミスと対策
| ミス | 結果 | 対策 |
|---|
| 事前届出を忘れた | 申請不可 | 研修決定と同時に届出準備を開始 |
| 訓練時間が10時間未満 | 対象外 | カリキュラムの時間を事前に確認 |
| 出席簿の不備 | 不支給リスク | 毎回の研修で確実に記録 |
| 計画と異なる内容で実施 | 不支給リスク | 計画変更時は事前に届出 |
| 申請期限(2ヶ月)を超過 | 申請不可 | カレンダーでリマインド設定 |
社労士への依頼のメリットと費用
社労士に依頼すべき理由
助成金の申請手続きは複雑であり、不備があると不支給になるリスクがあります。特に初めて申請する場合は、社労士に依頼することを強くおすすめします。
社労士に依頼するメリット
- 申請書類の不備を防げる:専門家のチェックで不支給リスクを最小化
- 最適なコースの提案:自社の状況に合った助成金を提案してもらえる
- スケジュール管理:申請期限の管理を代行
- 労働局とのやり取り:審査中の問い合わせ対応も代行
- 他の助成金の提案:AI研修以外にも使える助成金を紹介してもらえる
社労士への依頼費用
| 費用体系 | 金額目安 |
|---|
| 着手金 | 0〜50,000円 |
| 成功報酬 | 受給額の10〜20% |
| 月額顧問料(顧問契約の場合) | 30,000〜50,000円/月 |
費用シミュレーション
100万円の助成金を受給した場合のコスト例
| 項目 | 金額 |
|---|
| 助成金受給額 | 1,000,000円 |
| 着手金 | △30,000円 |
| 成功報酬(15%) | △150,000円 |
| 手残り | 820,000円 |
社労士に依頼しても、82万円が手元に残ります。自社で申請する手間と不支給リスクを考えると、十分にペイする投資です。
社労士の選び方
- 助成金申請の実績が豊富であること(年間申請件数を確認)
- 人材開発支援助成金の実績があること(助成金の種類は多いため、特定の分野の実績が重要)
- 初回相談が無料であること
- 報酬体系が明確であること(成功報酬型がおすすめ)
- レスポンスが早いこと(助成金は期限管理が重要)
その他のAI研修関連補助金
IT導入補助金
経済産業省が所管するIT導入補助金は、中小企業がITツールを導入する際の費用を補助する制度です。AIツール(ChatGPT Enterprise、Microsoft Copilotなど)の導入に伴う研修費用が対象になるケースがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助率 | 1/2〜2/3 |
| 補助額 | 5万〜450万円 |
| 対象 | ITツール導入に関連する経費 |
| 注意点 | 研修単体ではなくツール導入とセットで申請 |
地方自治体の独自助成制度
各都道府県・市区町村で独自のDX推進・人材育成関連の助成制度が設けられている場合があります。
確認方法
- 各自治体の産業振興課・商工課に問い合わせ
- 中小企業支援ポータルサイト「ミラサポplus」で検索
- 地元の商工会議所に相談
国の助成金と地方自治体の助成金は併用できるケースもあるため、両方を確認することをおすすめします。
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まとめ:助成金を活用してAI人材育成を加速させよう
AI研修で使える助成金を活用すれば、中小企業は研修費用の最大75%を国から補助してもらえます。主なポイントを整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|
| 最も使いやすい助成金 | 人材開発支援助成金(人材育成支援コース) |
| 高額研修向け | 事業展開等リスキリング支援コース |
| 助成率 | 中小企業75%、大企業60% |
| 最重要ルール | 研修開始前に訓練実施計画届を提出すること |
| 訓練時間の要件 | 10時間以上のOFF-JT |
| 申請のおすすめ | 社労士に依頼(成功報酬10〜20%) |
まずは研修会社に「助成金対応の研修プログラム」があるか確認し、社労士と連携して申請準備を進めましょう。助成金を活用することで、コストを気にせずに質の高いAI研修を実施できます。
AI研修・助成金活用のご相談は、以下のサービスページからお気軽にお問い合わせください。
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📌 この記事のポイント
AI研修 助成金で受講料最大75%OFF|人材開発支援助成金(令和8年4月8日改正対応)の申請手順・対象要件・スケジュールを完全解説。設備投資加算50%(1人15万円/10人以上150万円)新設、リスキリング支援コース活用で中小企業のAI研修が大幅に安くなる実例付き。
この記事は株式会社課題解決プラットフォームが2026-03-26に公開し、2026-04-15に内容を更新しました。内容の正確性を定期的に確認しています。最新の情報についてはお問い合わせください。